老後の貯金はいくらあればいい?

老後の貯金はいくら必要?夫婦・独身世帯それぞれの考え方

老後の貯金はいくらあれば安心できるのでしょうか?夫婦・独身世帯に老後資金として用意したい貯蓄額を聞いてみました。定年後は遠い将来の話ではありません。安心して生活できるよう今からしっかり備えておきましょう。

老後の貯金はいくら必要?夫婦・独身世帯それぞれの考え方

老後貯金はいくら必要?

老後のために貯金したいけれど日々の生活費を稼ぐことで精一杯という方も多いでしょう。しかし、今はピンと来なくても老後の生活は確実に近付いています。

ここからは、少し具体的に将来のお金について考えてみましょう。

  • 80歳まで寿命があると仮定し、60歳で定年退職を迎えるとしたら、20年分の老後資金を用意しなくてはなりません。
  • 老後に必要な生活費を20万円/月とした場合、年間240万円×20年=4800万円の老後資金が必要です。
  • 仮に20歳から60歳まで、しっかり40年間保険料を支払っていて、月14万円の厚生年金が受給できるとしても、残りの1440万円は預貯金から捻出しなければならないという計算になります。

少し絵を加えて説明するとこんな感じです。

老後貯金はいくら必要?

老後資金がいくら必要かは、それぞれのライフスタイルによりますが、健康で長生きするためには、若いうちからしっかりと老後資金を蓄える必要があります。

夫婦2人で暮らす場合

老後を二人で暮らす夫婦

老後は夫婦2人での生活を想定している方に、老後のための貯金をいつから始めたか、いつまでにいくらの老後資金を用意する予定かを聞いてみました。

70歳までに3000万円は貯めたい

けんちゃんさん

50代

男性

その他

大阪府

私は大学卒業後にサラリーマンを7年ほど経験した後に家業である自営業を継ぎました。老後のためのお金を貯めないとと強く感じたのは40代後半になってからです。

老後のために貯金を始めたきっかけは、国民年金機構から送付される「ねんきん定期便」を見て、将来受け取れる年金額に不安を覚えたことです。

これまでにそれなりの貯金はしていましたが、老後の生活には物足りないと感じていました。

私たち夫婦には子供がいないため、老後のことは自分たちだけで考えておかなければなりません。

自営業ですから、定年はありません。できるだけ働くつもりですが、年齢とともに仕事のペースが落ちることは間違いありません。

夫婦で別々の仕事で共働きをしていますから、それぞれの年金受給を考えてみても、70歳までに3000万円くらいは貯めたいと考えています。

少なくとも3000万円

ヒンジさん

50代

男性

その他

東京都

老後のための再就職を目指した54歳から貯金を開始しました。現在は独身ですが、既に20年近く付き合っている彼女とゆくゆくは結婚するか同居する予定ですので、夫婦二人の生活を想定しています。

老後貯金をはじめたきっかけは、年金受給年齢の引き上げなどが検討されていることや、受け取れる額が少ないこと。健康寿命と平均寿命の差、つまりは健康な老後生活を送れない期間が10年近くある可能性も多いと知ったからです。

健康には注意していますが、自分がそうならないとは限りません。もしも仕事が何もできない状態になったとしたらと考え、老後のための貯金に本腰を入れ始めました。

年金の受給を開始する年齢は65歳の予定ですが、それまでに少なくとも3,000万は貯めておきたいと思います。

最低1000万円はためておきたい

みささん

20代

女性

主婦

広島県

私は現在20代ですが、夫は既に40代です。今から子供を望んでいるので、老後に回せるお金が少なくなることを予測して、少しずつですが老後資金を貯金しています。

老後資金のことは結婚する前からずっと考えていましたので、結婚当初から貯金を開始していました。

私は今は専業主婦ですが、子供が出来て保育園に預けてから働きに出ようと思っています。しかし扶養内パートの予定なので年金は国民年金しかありません。

夫の年金をプラスしても、少しキツイ生活になりそうです。幸い、一軒家があるので老後の家賃はいらないのと、田舎で物価が安いので、都会の人ほど老後資金は必要ないと思います。

それでも最低1000万円はためておきたいと考えています。今までのためていた貯金にはなるべく手を付けず、今後も少しずつでも貯めていきたいと考えています。

個人年金保険プラス1000万が目標

サトミさん

30代

女性

主婦

神奈川

保険屋さんの友人から老後のための個人年金保険をオススメされたことがきっかけで、25歳くらいから老後のための貯金を始めました。

結婚しているので老後は夫婦2人暮らしを想定しています。

月々の出費のことを考えると月1万円しか手が出せませんでしたが、コツコツ貯めようと考えました。

この個人年金保険で600万程度貯めることが出来ます。国から貰える公的年金を加味しても600万では足りないと考えているので、別途貯金が必要だと思っています。

しかし、住宅ローンや子供の教育資金もあるのでなかなか大きな額は貯められません。老後までにはコツコツためて、個人年金保険プラス1000万が目標です。

住宅ローンの繰り上げ返済をして早めに完済し、老後の資金をたっぷり蓄えていきたいです。

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独身の場合

老後を一人で暮らす女性

結婚の予定がなく生涯独身である場合、老後のためにいくら貯金すれば安心できるでしょうか?現在20代のさえさんは、将来結婚したとしてもパートナーが病気になった場合を想定して、毎月2万円の貯金を始めました。

月に2万円貯金しています

さえさん

20代

女性

会社員

愛知県

私は成人した頃から、定年までに1000万円貯金できるように、月に2万円ほど老後のために貯金をしています。

少子化などの関係で受給できる年金額に不安な気持ちがあるので、早いうちから始めようと思ったことがきっかけです。

現在、真剣に交際している男性がいますが、絶対に将来結婚するかはわからないですし、パートナーが病気になった場合を考えて、女性もしっかり老後資金を貯めるべきだと思います。

バリバリ働けて、出費を抑えることのできる20代のうちであれば、毎月2万円はそんなに大きい金額ではないので、これからも老後貯金を継続していきたいです。

毎月2万円ずつであってもコツコツ貯金して、老後の生活への不安をなくしておくことはとても大きなメリットだと感じています。

老後貯金は早めの計画が大事

平均寿命が延びている今、夫婦世帯、独身世帯ともに年金受給額だけでは普段の生活を維持することは難しいのが現状です。

老後の生活に不安を抱いている人は、老後のために今から少しずつ貯金を始めることをおすすめします。「今さえ良ければいい」という安易な考えでは、老後破産という最悪の事態を招きかねません。

老後の生活費を確保するために、企業型DCや個人型確定拠出年金(iDeCo)に毎月一定額を積み立てるのもおすすめです。

確定拠出年金は原則60歳までは受給できません。簡単に引き出すことができない点も老後資金を蓄える上でのメリットになります。iDeCoの節税メリットも参考にして積み立てを検討してみましょう。