NISA口座はどこで開設できるのか?
NISAという制度について知っていても、どこで口座を開設できるのかよく分からないという人は多いのではないでしょうか。株や投資信託などの資産運用が対象となることから、証券会社で開設できるのがもちろんですが、それ以外にも開設できる金融機関は意外と多くあります。
NISA口座は、主に次のような金融機関で開設することができます。
NISA口座を開設できる金融機関
- 証券会社
- 投信会社
- 銀行
- 信託銀行
- 郵便局
- 生命保険会社
- 信用組合
- 信用金庫
- 労働金庫
- 農協
参考:金融庁「NISA特設ウェブサイト」NISAを始める
ただし、NISA口座は金融機関ならどこでも開設できるというわけではないため、利用したい金融機関がある方は、申込みを行う前に確認しておくといいでしょう。
NISA口座における銀行と証券会社の違い
銀行と証券会社で大きく異なるのが、取り扱っている金融商品の種類です。銀行と証券会社には、主に次のような商品の違いがあります。
銀行 | 投資信託 |
---|---|
証券会社 | 国内株式 ・現物株式 ・ETF(上場投資信託) ・ETN(上場投資証券) ・REIT(不動産投資信託) ・単元未満株 ・新規公開株式(IPO) ・公募増資・売出株式(PO)など 投資信託 外国株式 ・アメリカ株式 ・中国株式 ・海外ETFなど |
銀行では投資信託しか扱っていないため、いろいろな商品を購入したいという方にはあまり向いていません。
また、証券会社では、投資信託以外に国内外のさまざまな株式を扱っていることから、複数の種類を購入することで、リスク回避のための分散投資がしやすくなります。
NISA口座を開設するなら銀行と証券会社のどっち?
NISAを取り扱っている金融機関の中でも、特に、どこで口座を開設すべきか悩んでしまうのが、銀行と証券会社ではないでしょうか。実際にNISAをはじめた人はどのような理由で、銀行と証券会社のどちらを選んだのか、10人の利用者に聞いてみました。
私が銀行でNISA口座を開設した理由
まずは、銀行でNISA口座を開設した5人の方の声をご紹介します。
銀行には、証券会社に比べて金融商品が少ないというデメリットがありますが、「普段からよく行く」「相談しやすい」など、証券会社にはない特徴がメリットになっているようです。
街の郵便局が一番!
あかりさん
40代
女性
パート・アルバイト
京都府
ゆうちょ銀行の「資産運用セミナー」でNISAの話を聞いたのがきっかけで、NISAに興味を持ちました。そのセミナー以降、ゆうちょ銀行の方に相談にのってもらい、信頼感が持てたこともあり、そのままゆうちょ銀行でNISAの口座を開設しました。
また、子どもの学資保険もゆうちょ銀行の商品ですし、以前からマネープランについて相談していたので、我が家の経済状態をある程度把握しているということも、ゆうちょ銀行を選んだ大きな理由でもあります。
香川でNo.1の地銀です
まりあさん
20代
女性
会社員
香川県
別の用事で銀行を訪れた際、たまたまNISAの話を詳しく聞いて、興味を持つようになりました。そこは、この土地を代表する地銀で、店舗数が多いため、引っ越ししても別の支店を使えるからいいなと思いました。
銀行でNISAを開設すると、NISA口座開設者向けのキャンペーンの対象になるほか、投資信託と定期預金を一緒に申し込むと定期の利率が上がるなど、お得なサービスが受けられるので、銀行でNISAを開設して良かったと思っています。
家から歩いて行ける距離が便利
みゆうさん
30代
女性
自営・フリーランス
鳥取県
私がNISA口座を開設する際、銀行を選んだ理由は、いつも利用していて何となく安心感があったからです。さらに、銀行が自宅からすぐの場所にあるのも理由の一つです。やはり、何かと便利なので銀行は家から近いに限ります。
実際に銀行でNISA口座を開設してみて感じたことは、株について気軽に色々話ができるのが良かったです。特に、自宅からすぐ近くというのもあって、気になることがあるとすぐに話を聞きに行けるので、今の銀行を選んで良かったです。
安心して任せています
きょうたろうさん
30代
男性
自営・フリーランス
熊本県
ネット証券と違って、銀行の場合は行員さんと対面でやり取りができるので安心感がありました。NISAを開設したのは、以前から使っている馴染みの銀行で、行員の顔も見知っているので、分からないことがあればその場で質問できます。
NISA口座では、リスクの低いインデックス型投資信託の長期運用を行う予定です。追加投資したり、ポートフォリオを確認したりすることはありますが、基本的に銘柄を選んだらほったらかしです。そのため、私の場合は銀行でも何ら問題がありません。
デイトレーダーはネット証券の方がずっと便利でしょうが、私は老後まで手をつけないつもりでいるので、わざわざ銀行に行かないと解約できないというデメリットが、逆にメリットになると思います。
いつもお世話になっています
トムさん
30代
女性
主婦
広島県
証券会社の豊富な商品も魅力的なのですが、新しい取引のためにわざわざ口座開設の手続きをしたりするのが面倒に感じていたため、もともと投資信託をしていた投信口座がある銀行でNISA口座を開設しました。おかげで、NISAの手続きだけで済みました。
銀行では、資産運用だけでなく、ライフプランに応じて総合的な取引のアドバイスがもらえるので、これからもいろいろと相談していきたいと考えています。NISA口座では投資信託を運用していますが、分配金が出るので長期で保有するつもりです。
私が証券会社でNISA口座を開設した理由
次に紹介するのが、証券会社でNISA口座を開設した5人の方の声です。
やはり、「商品の種類が多い」「ネットで利用できる」などの証券会社らしい特徴もありますが、そのほかにはNISA開設者向けのサービスが決め手になったという方もいらっしゃいます。
口座開設のメリットを感じて
りこさん
30代
女性
会社員
東京都
私が銀行でなく証券会社を選んだのは、自分で株式を運用するためです。株式投資は証券会社で行うものだと思い込んでいたため、実は、銀行でNISA口座を作れることを知らなかったのです。
私が選んだSBI証券は証券会社の大手のため知名度が高く、手続きが簡単そうだったので、NISA口座を開設しました。NISA口座で買い付けると、取引手数料がゼロになるのがこの証券会社の最大の魅力です。
NISAは個人投資家を増やす目的ではじまった制度ですが、銀行は商品の選択肢が少なく、NISAのメリットを最大限に活かせていないと思います。その点、証券会社なら扱う商品が多く、さまざまなニーズを満たすことができると思います。
手軽な「ワン株」が決め手
のりひささん
30代
男性
自営業
東京都
わたしは、自分で割安な個別銘柄の株式投資をしてみたかったため、銀行ではなくマネックス証券でNISA口座を開設しました。複数の証券会社に口座を持っていますが、その証券会社を選んだ理由はワン株(単元未満株)という制度があったからです。
例えば、ファーストリテイリングのような高額な株を、単元株数の100株購入しようとすると、1銘柄で軽くNISAの非課税枠120万を超過します。しかし、ワン株を利用すれば、高くて手が出ないような株でも、1株から購入することができるのです。
基本的にNISA口座を長期の資産運用に利用する人が多いと思いますが、私の場合、値上がり益が当初の想定よりも多い場合は即売却するつもりです。そのため、売却しても課税対象にならないNISAは、長期保有ではなくても大いにメリットが感じられます。
全てはIPO株当選のため
ななおさん
20代
男性
会社員
東京都
NISAは売却益が非課税になるため、少額のIPOを初値で売却しても利益が出ると思い、IPO株の購入のためにNISA口座を作ることにしました。しかし、IPO株を買うためには、まずは当選しないことには意味がありません。
そこで、IPOの当選確率を少しでも上げるために、NISA口座を開設するにあたり、ネット証券の中でもIPOが当たりやすいと評判の証券会社を選んだのです。
IPOのような大きく値上がり益を得られる商品を銀行では見つけられなかったことも、証券会社でNISAを開設した理由の一つです。人気のIPO株が当れば、私にとって証券会社でNISA口座を開設して正解だったと感じられるはずです。
資産管理がしやすいです
諏訪部明仁さん
40代
男性
会社員
東京都
NISA口座で配当利回りの高い株式を長期保有するか、分配金利回りの高い不動産REITを長期保有しようと思い、銀行ではなくネット証券でNISA口座を開設しました。
さらに、使い慣れている証券会社のほうが、自分の金融資産を管理しやすいと判断し、普段から株式投資で頻繁に利用している証券会社にしました。今のところ、不動産REITを購入して、NISA口座で保有し続けています。
年に2回受け取ることのできる分配金からも税金を天引きされないことから、NISAで5年間不動産REITを保有し続けると、元本の半分以上を回収できるため、NISA口座は大変ありがたい制度だと思います。
銀行に対する不信感
トムさん
40代
男性
会社員
東京都
私は証券会社でNISA口座を開設しました。銀行では、銀行側に都合のいい金融商品を勧められたり、買わされたりする可能性があるのと、証券会社よりも手数料が高いため、最初から銀行は選択肢にありませんでした。
また、証券会社は、銀行と違ってパソコンやスマートフォンを使って、気軽に株式の売買ができるのでとても便利です。
NISA口座では、日々の株価に一喜一憂せず、世界中の株式に分散できる投資信託を、ドルコスト平均法で毎月コツコツ積み立てています。株価下落のリスクはありますが、NISA口座では5年間、売買損益や配当が非課税になるので、使わない手はないです。
NISA口座は銀行と証券会社のどちらで開設すべきか?
同じNISA口座でも金融機関によって条件が異なるため、どちらを選ぶべきか迷うところですが、金融商品の種類の多さでいえば、証券会社の方が有利だといえます。さらに、証券会社によって手数料無料の商品などがあるため、各社の条件を比較しておくといいでしょう。
一方で、銀行には預金口座と一括管理できるというメリットがあることから、普段からあまり株や投資信託に関わりがなく、証券会社にとっつきにくさを感じている方は、日頃慣れ親しんでいる銀行での開設をおすすめします。
さらに、NISA口座を開設したいけれど、どのように使ったらいいか分からないという方は、NISAの使い方をお読みください。