不動産投資に失敗した体験談

不動産投資の失敗談8選!不動産って儲かる?儲からない?

不動産投資の失敗は、なぜ起こるのでしょう。不動産投資といえば、家賃収入が得られて、節税効果がある魅力的な資産運用ではありますが、安易に進めてしまうと思ってもみない失敗につながる恐れがあるので、リスクをきちんと理解しておくことが大切です。

不動産投資の失敗談8選!不動産って儲かる?儲からない?

不動産投資で失敗する原因とは?

不動産投資の失敗といえば、「空室が埋まらない」「価格の下落」などが挙げられますが、その他に次のような原因が考えられます。

  • 賃貸需要が低い
  • 立地の悪さ
  • 物件の調査不足
  • 修繕やリフォームの見積もりが甘い
  • ローンの借入金額が大きすぎる
  • 相場よりも高い金額で購入した

不動産投資は、資産運用の中ではミドルリスク・ミドルリターンといわれているため、FX先物取引に比べるとリスクはそれほど大きくはありませんが、やり方次第では大きなリスクを招く可能性があります。

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投資家に聞いた!不動産投資に失敗した体験談とは

不動産投資では、具体的にどのような失敗があるのでしょう。また、失敗によって被る損失額はいくらくらいなのでしょう。実際に不動産投資で失敗した経験があるという8人の投資家に、失敗の原因について聞いてみました。

1.物件選びの失敗

まずは、物件選びでの失敗です。立地条件が悪い場合や賃貸需要が低い場合は、空室率がどんどん高くなってしまいます。

不動産投資における物件選びの失敗

人が集まらない場所を選んでしまった

ななこさん

30代

女性

会社員

大阪府

不動産投資をしていますが、シェアハウスの運営を始めてから4年になります。一棟目の物件は、1年で初期費用を回収することができた上、年間80万円は堅いので儲けているとジャッジしています。失敗だったのは二棟目の物件です。

そこは、大阪に来る外国人が集まる地域ではなかったため、ほとんど満室になる事はありませんでした。初期費用に400万円を掛けたにもかかわらず、年間の収入は20万円程度にとどまっています。

さらに、2軒目は「転貸」という形式をとっているため、ローンではなく大家さんに家賃を払っている状態です。このような場合、家賃を払い続けても、将来的に物件が自身の資産にはなりません。

通常、既存の物件でシェアハウスを行う場合の利回りは12.13%程ですが、この物件は月によって赤字となるため、自腹で補填することもあります。単純に月に2万円の赤字のため、投資をしていて自身で払わなければならない状況に冷や冷やしています。

地名のブランド力に頼りすぎた

圭一郎さん

30代

男性

会社員

東京都

私の不動産投資の失敗は、港区でも利便性の高い赤坂のワンルームマンションへの投資です。想定していたよりも賃料が下がっていったため、危険を感じて早々に手放したのですが、それでも300万円くらいの損失となりました。

原因は少し古かったのと、駅からそれほど近くなかった点です。このエリアのマンションに投資するのは初めてで、「赤坂=人気がある」という安易な考えが良くなかったです。赤坂と名がつくからと言ってどこでもいいわけではありません。

今回の件で、やはり投資の基本は「築浅」「駅近」なのだということを学び直しました。結果的には、それ以外の場所で儲かっていたので、トータルでは大ダメージにはなりませんでした。

不動産投資は儲かるかと言えば、儲けとしては少しプラスくらいになっていますが、今のところ思っていたより儲かっているわけではないです。

2.見通しの甘さによる失敗

次に紹介するのが、先の見通しの甘さが原因の失敗です。想定外のことが起こったことによって、大きな損失を招くことがあります。

想定外のことが起こった不動産投資

不動産価格の下落を読めなかった

諏訪部明仁さん

40代

男性

会社員

東京都

私は、都内の複数の不動産投資で数百万円の利益を得ることができていますが、一度だけ地方の投資用不動産を購入して失敗したことがあります。

とある県庁所在地の築15年のワンルームマンションで、徒歩10分圏内に県庁や国立大学があるため、入居者の確保には困らない物件と思い購入しました。

購入金額は1200万円程度でしたが、不動産価格が値上がりするどころか、緩やかに下落し続けたため、6年間保有した後1100万円で売却しました。もちろん賃料収入はありましたが、不動産投資ローン返済もあり、合計で100万円の損失となりました。

この失敗で学んだことは、不動産投資で成功するためには、賃料収入を絶えず得るだけではなく、不動産価格が上昇することが必要だということです。賃料収入だけでは、修繕費や管理費など、さまざまな経費や税金の負担で消えてしまいます。

退去者の多さを想定していなかった

千田さん

50代

男性

アパート賃貸業

千葉県

福岡市内でワンルームマンションを幾つか所有しておりますが、まだ利益はあまり出ていない状態です。それでも、少し余裕が出来ましたので、福岡市内にワンルームマンションを購入しました。

そのマンションは、駅からも非常に近く、目の前には国立大学がありましたので、絶対的に買いだと思い、迷わずすぐに売買契約をしました。当初、この物件はサブリースになっていましたが、家賃収入を考えて一般管理に変更しました。

ところが、購入後すぐに入居の方が退去したため、再び募集をかけては入居、またすぐ退去の繰り返しで、そのたびにリフォーム費用の出費が重なって、投資資金の回収どころではなくなりました。

損害金は300万円で、この投資物件の失敗の原因は、「立地がいい」という安易な考えで購入したことにあると思います。

不動産投資では、何が起こるか分からないことから、ローンの頭金となる初期費用を多めに用意するなど、金銭的に余裕を持った投資が求められます。

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3.調査不足による失敗

調査不足によって不動産投資失敗をした女性

次は確認漏れによる失敗について見ていきましょう。このような失敗は、事前に状況をしっかりと確認しておくことで防ぐことができます。

前オーナーが管理費・修繕積立金を滞納していた

ダイスケさん

20代

男性

自営業

埼玉県

2年ほど前に初めてワンルームマンションを購入しましたが、正直ワンルームマンション投資で儲けるのは難しいと思いました。

まとまった金があったため、以前から気になっていたさいたま市内にある5階建てワンルームマンションの4階1室を600万円程で購入しました。最寄り駅から徒歩10分以内の築20年で、5万円程度で貸し出せば10年で元が取れると安易に考えました。

マンションには月々管理費と修繕積立金が発生しますが、中古マンションの場合、前オーナーが滞納していると、その分が現オーナーに請求されます。私の場合、2年前から滞納した分の25万円が請求されました。

現状5万円強で貸し出せていますが、これから築年数が上がっていけば家賃相場も下がっていくので利回りも悪くなっていきます。今後の10年、5万円前後で貸し出せれば一応儲かりますが、所得税や入居率などのリスクを考えると不安なことが多いです。

供給過多のため売却できなかった

まりさん

20代

女性

会社員

大阪府

不動産投資では、トータルリターンは損しています。東京オリンピックまでは地価が上がると聞き、人気の地域の新築マンションを1室購入しましたが、供給過多で結局高く売却できませんでした。

当時は自分で住んでいて、ローンの方が賃貸料より安かったので、後々、投資用にできればと思い購入を決めました。ところが、なかなか賃借人が決まらず、二重で家賃を支払わなければいけない期間は経済的にきつかったです。

賃貸収入を得た期間もありますが、賃借人が決まるまでに応募から5か月ほどかかり、売却の際も、購入価格より200万円ほど安くなってしまいました。当時、住んでいた場所から物件が遠かったため、手続きの度に移動するのが大変でした。

また、購入したのは新築でしたが、投資用と割りきるならば中古物件をリフォームしても良かったかなと思っています。マンションは長期で保有すると建物自体の老朽化がすすむので、素人が安易な考えで手を出すのはよくないと痛感しています。

4.業者選びの失敗

最後に紹介するのが業者絡みの失敗です。不動産投資を行う上で、優良な業者選びが重要だということが分かります。

不動産投資で業者選びを失敗する女性

家賃収納代行の倒産で家賃が支払われなかった

カズさん

40代

男性

会社員

東京都

私の失敗の原因は、家賃の回収を依頼していた家賃収納代行の会社が倒産したことです。家賃3ヶ月分が回収できない状況で、数ヵ月後に数十万円だけ債権者に分配されましたが、当然、全額は回収できませんでした。

それ以降は、マンション総会などの会合に出席して、正常に事業が運営されているか確認しています。また、会社の資金繰りが悪くなると入金が遅れがちになるので、毎月入金確認を怠らないようにしています。

仮に入金が遅れた場合、「直接行って現金が支払われるまで帰らない」「早めに収納代行会社を変更する」などの対策が必要です。私の知り合いの投資家は、そのような対応を行い、損失を出さずに済んだそうです。

私の場合、不動産投資で儲けることができています。不動産は最終的に売却しないと負債になる可能性があるので、購入時にいつ、いくらで売れるのかシミュレーションして、後はどれだけ早く繰り上げ返済するかが重要だと考えています。

サブリース会社任せにしてしまった

ヒロさん

30代

男性

会社員

奈良県

銀行の不動産担保ローンを利用して、遊休不動産を活用しています。安定した家賃保証があると考え、大手サブリース業者と契約して、地元の幹線道路沿いの土地にアパートを建設しました。

たくみな話術でもうけ話に乗った私も悪いですが、デメリットもしっかり理解した上で投資すべきでした。

家賃は一定金額振り込まれているとはいえ、入居率は50%となっているため、このまま入居率が低ければ、毎月の家賃保証も引き下げるとの話もあり、契約しなければ良かったと本当に後悔しています。

損失額は今のところ不明ですが、毎月の返済と家賃保証額が同額程度となっているため、全くと言っていいほどメリットはないです。現時点では収支はプラスで推移していますが、今後は赤字になるかもしれません。

不動産投資は成功例よりも失敗例を学ぶべし!

不動産投資で成功した人の話を聞いて、思わずその方法を真似してみたくなるものですが、同じやり方で投資を行ったからといって、必ずしも成功するとは限りません。

不動産投資を勉強する上で重要となるのが、失敗しない方法を学ぶことです。どういう物件が失敗につながるのか、どういうことを怠ると失敗しやすいのか等、できるだけ多くの失敗例を知ることで、同じ間違いを犯すことを防止できます。