学資保険のメリット・デメリット

学資保険のメリット/デメリット~返戻率がお得な条件は?

学資保険のメリットといえば貯蓄性の高さですが、その他にどんなお得な特徴があるのでしょう。
ここでは、学資保険のメリットとデメリットについての解説のほか、実際に加入している方の声を紹介しています。

学資保険のメリット/デメリット~返戻率がお得な条件は?

学資保険とは?

学資保険とは、子供の小学校から大学までにかかる学費をカバーするための保険で、保険料を払い込むことによって、進学の際の祝い金や満期になった際の保険金が支払われます。貯蓄型と掛け捨て型がある保険商品のうち、学資保険の場合は貯蓄型の方が一般的です。

貯蓄型保険のメリット・デメリット~掛け捨てとの違いとは
貯蓄型保険のメリット・デメリット~掛け捨てとの違いとは

学資保険の保険料や返戻率は、払込期間や満期保険料の総額のほかに、加入時の子供や契約者の年齢によって決まるという特徴があります。

返戻率って何?

「返戻率(へんれいりつ)」とは、保険の契約者が支払った金額に対する、受け取ることができる金額の割合のことで、「戻り率」とも呼ばれます。返戻率は次の計算式で算出されます。

返戻率を求める計算式

返戻率=[受け取る保険金の総額]÷[払い込む保険料の総額]×100

返戻率(へんれいりつ)とは?

子供の教育資金の貯蓄に便利な学資保険にはどのような魅力があるのでしょう。次に、実際に学資保険に加入した方の感想とともに、学資保険のメリットとデメリットについて解説していきます。

学資保険のメリット

子供の教育費を備えるためには、確実にお金が貯められる保険内容が求められますが、学資保険には主に次のようなメリットがあります。

メリット1.返戻率が高い

保険内容や契約時期によって異なりますが、一般的な学資保険の返戻率は高いものでは105~106%と、定期預金と比べてかなり高いといえます。

返戻率は高ければ高いほど、受け取るお金の総額が支払った保険料を上回ることになるため、学資保険を選ぶ際は、条件として返戻率の高さを参考にするといいでしょう。

預貯金で得られる利子はたかが知れているので、学資保険に加入した方が良いと判断しました。(40代/女性/パート・アルバイト)

100パーセントを超えている返戻率は、銀行に預けるよりお得だと思います。(30代/女性/主婦)

メリット2.自動的に貯蓄される

貯蓄型の学資保険の場合、月々決まった額が引き落とされるため、自分で計画立てて貯金をしなくても、満期までに予定の金額がきちんと貯まります。

毎月自分で貯金しようとすると、「忙しくて忘れた」「支出が多いと貯金できない」などの理由により、結局思うように貯まらないことから、確実性は学資保険の方が高いのです。

私はもともと貯金が苦手なので、毎月自動で引き落とされて、使える年齢になるまで引き出せないのが良いです。(30代/女性/パート・アルバイト)

わざわざ貯金しなくても、強制的に教育資金が貯まるので、将来的な生活設計が立てやすくなりました。(40代/男性/会社員)

メリット3.契約者死亡時に払い込みが免除される

子供が対象となる学資保険では、「保険料払込免除特約」という特約によって支払いが免除されます。保険料払込免除特約が受けられる条件として、次の2つがあります。

  • 契約者の死亡
  • 契約者が特定の障害を負った

一般的に保険料払込免除特約は、どの学資保険にも自動的についてきます。

学資保険に入ることによって、主人に万が一のことがあった時も、学費は何とかなるという安心感が得られました。(20代/女性/主婦)

満期を迎える18歳までの長い間、もしものことが絶対ないとは言い切れませんので、準備だけでもと思い加入しました。(40代/女性/主婦)

メリット4.加入時期が早いほど保険料が安くなる

学資保険への加入は、妊婦さんが安定期に入る出産予定日の140日前から可能ですが、加入は早いほど保険料は安くなります。

例えば、22歳満期の学資保険の場合、0歳で払い始める場合と3歳で払い始める場合とでは、同じ金額を払い込むとなると、当然0歳の方が保険料が安くなるのです。

早く入った方が得なのが分かっていたので、ちょっと早いかとは思いましたが、妊娠5ヶ月の時に加入しました。(30代/女性/会社員)

どうせ同じ金額を払うなら、月々の支払いが安いに越したことはないので、年齢が低いうちの方がいいと思いました。(20代/男性/会社員)

メリット5.妻を契約者にすると安くなる

一般的に生命保険の保険料は、次の3つの割合をもとに決められます。

1-予定死亡率

過去の統計から、性別や年齢別の死亡者数を予測した割合です。予定死亡率が上がるほど保険料が高くなります。

2-予定利率

保険会社が、保険金を支払うために積み立てている保険料の一部を運用するにあたり、利益を予想して保険料から割引く割合です。予定利率が上がると保険料が安くなります。

3-予定事業費率

保険会社が保険事業を運営するために、保険料にあらかじめ組み込んでいる必要経費の割合です。予定事業費率が上がると保険料が高くなります。

予定死亡率が高いと保険料が引き上げられることからも分かるように、予定死亡率が低い女性は保険料が安くなるため、夫ではなく妻を契約者にするケースも少なくありません。

ただし、妻を契約者にした場合、収入を得ている夫が亡くなった際に、保険料払込免除特約による支払い免除の対象にならないため注意が必要です。

1人目の学資保険は私が名義人になったので、次に生まれた子は妻を名義人にしようと考えています。(20代/男性/会社員)

夫よりも妻である私が契約者になった方が保険料は安くなると言われ、私が名義人になりました。(30代/女性/会社員)

学資保険のデメリット

返戻率の高さが特徴の学資保険ですが、必ずしもお得な面ばかりではありません。ここからは、学資保険のデメリットについてみていきましょう。

デメリット1.元金割れの可能性がある

経済状況によって利率や保険料が変化するため、学資保険のような貯蓄性の高い保険商品は影響を受けやすいといえます。

最近戻り率が低くなってきているらしく、下手をすると元本割れしてしまうので、昔よりもお得感はないようです。(20代/女性/主婦)

どんどん利率が下がってきているので、最近加入した下の子の貰える金額が、上の子の時に比べて減りました。(30代/女性/パート・アルバイト)

デメリット2.加入年齢によって条件が変わる

学資保険は、加入時の子供の年齢のほかに、契約者の年齢によって保険料や返戻率が変化するため、学資保険への加入は早いに越したことはないようです。

加入した時の子供の年齢によって保険料や返戻率が違うことを後から知り、もっと早く加入しておけば良かったと後悔しました。(30代/女性/主婦)

やはり、契約者の年齢で保険料や戻り率が変わってくるのが、父親としては1番気になります。(20代/男性/会社員)

子供の年齢と学資保険の返戻率の関係

デメリット3.保険料が経済的な負担になる

いざ、学資保険に加入したものの保険料が高すぎるせいで、月々の支払いが難しくなることも。子供が小さい時期は何かとお金がかかるので、支払いが可能かどうか十分な検討が必要です。

保険料が高めの学資保険に入ってしまったため、今は少し苦しいですが、将来お金が入ると自分に言い聞かせて頑張っています。(20代/女性/会社員)

子供の幼稚園の毎月の保育料を高いと感じながら、さらに月々の保険料の支払いで家計が圧迫されてしまいます。(30代/女性/主婦)

デメリット4.途中解約すると返戻金が減る

学資保険は貯蓄型の保険のため、途中で解約した場合、それまで払い込んだ保険料が解約返戻金として戻ってきますが、解約時期によっては返戻率が7~9割程度になる場合があります。

元本保障がないのは分かっていましたが、途中解約のシミュレーションでかなりの損失が出ると知り、正直驚きました。(40代/女性/主婦)

損をするのは分かっているのでなるべくは解約を避けたいですが、経済的な問題が起こったら解約せざるを得ません。(30代/女性/主婦)

デメリット5.特約をいろいろ付けると返戻率が下がる

保険料払込免除特約は自動的に付与されますが、入院した際に給付金が支給される医療保険特約のような特約を複数付けると、その分返戻金が少なくなる場合があります。

もしもの時に備えて医療保険と傷害の特約をつけたところ、返戻率が少し下がってしまいました。(40代/女性/パート・アルバイト)

できれば医療保険特約を付けたかったのですが、返戻率が低くなると聞き、払込免除特約も外しました。(30代/女性/会社員)

そのほかの教育資金の調達方法

「学資保険だけでは不安」「学資保険は必要ない」という方には、学費を賄うために次のような方法がおすすめです。それぞれ、貯め方や返済方法などが異なることから、特徴を正しく理解する必要があります。

1.ジュニアNISA

ジュニアNISAとは、口座内で投資した株式や投資信託などの配当金のほか、譲渡益等にかかる税金が非課税になる少額投資非課税制度です。子供の将来のための資産形成が目的で、口座開設者である子供が18歳になるまでは、口座内のお金を払い出すことができないという特徴があります。

ジュニアNISAの概要は次の通りです。

利用対象20歳未満の日本に住んでいる人
運用管理者両親や祖父母などの二親等以内の親族
開設可能な口座数1人1口座
投資が可能な期間2016年~2023年
非課税となる対象株や投資信託などで得られた配当金・分配金・譲渡益
非課税投資額(上限額)年間80万円
非課税となる期間最長5年間

2.教育ローン

学資保険が親が子供のためにお金を積み立てる保険商品なのに対して、教育ローンとは、子供の教育資金として銀行から借り入れる目的型ローンの一種です。入学金や授業料のほか、海外留学費用、教材購入費用など用途はさまざまです。

3.奨学金の利用

奨学金とは、学費の費用負担を軽減するための支援制度で、国が奨学にかかる経費の一部を補助す高校生の奨学金の給付は都道府県が行っています。

また、大学や短大、専門学校などの学生向けには、日本学生支援機構(JASSO)の奨学金が知られています。JASSOの奨学金には、返還が必要な「貸与型」と返済義務がない「給付型」の2種類があります。

長く付き合うからこそ学資保険選びは慎重に

学資保険を選ぶためには、保険料や返戻率がお得であることに越したことありませんが、それ以外に次のようなポイントが重要になります。

学資保険を選ぶポイント

  • 加入する目的にマッチしているか
  • 払い込む保険料が収入に見合っているか
  • 欲しい時期に祝い金や満期保険金を受け取れるか

これから学資保険への加入を検討しているという方は、これらの点を参考にしてご家族に合った学資保険を選びましょう。