FXが危険だと言われる理由

FXは危険?初心者はやめた方がいいと言われるリスクとは

「FXは危険」という言葉をよく耳にしますが、初心者の中には一体何が危ないのかよく分からないという人は多いのではないでしょうか。
ここでは、FXにはどのようなリスクがあるのか、また、運用の際どんな点に注意が必要なのか、7人の投資家に分かりやすく教えていただきました。

FXは危険?初心者はやめた方がいいと言われるリスクとは

FXの危険性を高める代表的な7つのリスク

FXは危ないといわれる裏には、運用に伴うFX特有のリスクがあります。FXにはどのような危険性があるのか、まずは、代表的な7つのリスクについて見ていきましょう。

1.為替変動リスク

様々な通貨

為替変動リスクとは、為替レートの変動によって損失が生じるリスクのことです。例えば、1ドル120円の時に一万ドル購入した後で、1ドルが100円の円高の状態になると、一万ドルの価値が120万円から100万円に下がるため、20万円の損失が出ます。

2.金利変動リスク

金利変動リスクとは、金利の変動によって損失が生じるリスクのことです。金利が上がることで為替レートが下がったり、逆に金利が下がることで為替レートが上がったりすることで、売買において損失が生じる可能性があります。

3.信用リスク

信用リスクとは、証券会社などの経営不振や倒産が原因で、元本や利息の回収が難しくなるリスクのことです。ただし、FX会社が倒産した場合、「信託保全」という制度によって投資家の資金が守られていることから、投資資金は信託管理人から返還されます。

4.システムリスク

システムリスクとは、FX会社側のコンピュータシステムのほか、利用者側のパソコンやスマホなどの端末で、何らかの不具合が起こることによって生じるリスクのことです。FXの売買が不能になってしまうと、対応が遅れることにより損失が出る場合があります。

5.流動性リスク

FXの流動性リスク

流動性リスクとは、FXの売買において売りたいタイミングで換金することができない場合や、換金するまでに時間がかかる場合のリスクのことで、リクイディティリスク(Liquidity Risk)とも呼ばれます。取引が極端に少ない場合や、市場でトラブルが起きた場合に起こりやすくなります。

6.カントリーリスク

カントリーリスクとは、投資先の国で政治や経済状況の変化により混乱が起こり、投資した資産の回収が難しくなるリスクのことです。各国の信頼度は、スタンダード&プアーズやムーディーズなどの世界的な信用格付け会社が公開しています。

7.地政学的リスク

地政学的リスクとは、特定の地域で起こっている政治的なトラブルや軍事的な緊張によって、経済が悪化したり、先行き不安が広がったりするリスクのことです。地政学的リスクが高まる主な原因として、テロや紛争、クーデターなどがあります。

FXの危険性について投資家に聞いてみた

世間では「FXは怖い」「FXはやめた方がいい」と盛んに言われていますが、具体的にFXのどんなところが危険なのでしょう。実際にFXをやられている投資家の皆さんに聞いてみたところ、次のような4つのリスクが挙げられました。

1.レバレッジに比例して損失が大きくなる

まき子さん

40代

女性

主婦

千葉県

FXはレバレッジをかけてなんぼです。たいていのFX初心者は、5倍ぐらいのゆるいレバレッジで始めますが、すぐに物足りなくなってしまって、徐々に高レバレッジをかけていくようになります。そして、日々お金の増減に一喜一憂するようになるのです。

現在、日本ではレバレッジは25倍までと決められているために、4万円入金すれば25倍の100万円分の取引ができますが、損をするのも25倍です。もう一度言いますが,損失が25倍になるんです!これがFXの本当に怖いところです。

FXでは、資金力に見合ったレバレッジと取引量を守ることが大切です。例えば、米ドルの売買の場合、多少の円高にも耐えられる資金バランスを維持すると、精神的にも安定するので、焦っておかしな取引をしてお金が溶かしてしまうこともありません。

トムさん

40代

男性

会社員

東京都

FXは、レバレッジが最大25倍までかけられるので、少額から始められるのがメリットでありデメリットでもあります。例えば、10万円あれば250万円分の取り引きができます。

うまく流れに乗れた場合は、儲けが25倍になり、自分の思惑が外れて逆の方向に行けば、損失が25倍になります。まさにハイリスク・ハイリターンの金融商品です。そのため、身の丈にあった金額でレバレッジを掛けることが大切だと考えています。

私はいつも、ロスカットを設定してリスクを縮小することを心掛けています。高いレバレッジを掛けてトレードした場合、ロスカットを設定しないと、残高がゼロ円どころか借金になるので注意が必要です。

FXのレバレッジの危険

2.相場が読めない

あきひこさん

40代

男性

会社員

東京都

私がFXトレードをしていてリスクと感じることは、株式投資とは違って、複数の要因によって為替レートが変動することです。

例えば、証券会社のアナリストやストラテジストたちの見解を参考にして、米ドルの買いポジションを持っていたとしても、アメリカ政府が異なる政策を打ち出すことが伝わると、一気に円高トレンドに変わることがあります。

私はそのような過去の失敗を踏まえ、FXトレードを安全に運用するためには、チャートのテクニカル指標を基準にして売買を行うことがポイントだと思っています。「金利差が拡大するから円安になる」という安易な思い込みは注意が必要です。

りささん

30代

女性

会社員

東京都

まじめに働いているのがバカバカしくなるほど、大金を稼ぐことができるのがFXの魅力ですが、噂や各国の要人の発言で相場が大きく動くため、少額資金で大きな儲けを得ようとすると、すぐに追加証拠金が発生するというリスクがあります。

また、儲けを追求するあまり、つい自分の証拠金以上のポジションを持ってしまうと、相場が一気に自分の注文と反対方向に動いた場合、大きな含み損を抱えてしまい、損切りができないまま、身動きがとれなくなるのもFXのリスクだといえます。

FXを安全に運用するには、自分の証拠金に対して徹底して大きなポジションを持たないことが重要だと思います。相場は、思ってもみない方向に進みますので、過去の相場の最高値や最低値になったとしても耐えうるレバレッジで取引を行う事が大切です。

FXは相場が読めないのが危険

3.損切りしないと損失が拡大する

よしとさん

30代

男性

会社員

大阪府

株のように配当が上がりそうな会社を選ぶだけなら簡単ですが、FXの場合は、値が上がっても下がっても利益を生み出せるため、逆を言えば、価格が上がっても下がっても損失を出してしまうということになります。

損失を広げないためには、損切り時期を見極めることです。取引をする前に、ここまでの損失なら仕方がない、次の取引で少しずつ取り返そうと思える広い心を持てないと、FXを長く続けることは難しいと思います。

調子がいい時は、初心者でも経験者でも欲をかいてしまうものですが、損失が出てしまった時に、「これから絶対に上がる」「ここは我慢だ」なんて考えを持ったが最後、取り返しのつかない損失を出してしまいます。

まきさん

40代

女性

パート・アルバイト

岐阜県

FXのリスクはいくつかありますが、短時間で損失が膨らんでしまう点が一番怖いと思います。

FXの場合、サプライズがあると値動きが大きくなるので、すぐに逆指値注文に到達してしまいます。ところが、もしかして価格が戻るかもしれないという期待から、逆指値注文を取り消してしまうと、損失が膨らむ場合があります。

そのため、FXでは損切りは絶対に必要だと思います。FXを安全に運用したいならマイルールを徹底する事、甘い考えで取引しない事が大切です。

4.パソコンの故障でマイナスに

さなえさん

30代

女性

主婦

兵庫県

FXのリスクは、金融市場の状況を正確に把握できないと、利食いや損切りのタイミングを逃してしまうことです。

まだ、スマホを持つ前のことですが、自宅のパソコンの電源が入らなくなったことがありました。ネットカフェでその場をしのぐという発想もないまま、二週間後にようやくパソコンが使えるようになったのです。

不安は的中し、マイナスが続いて資金割れとなってしまっていました。生来の呑気さと楽観主義が裏目に出てしまったのです。この経験から、リスクに対して、用意周到過ぎるくらいの前準備をして臨むことが大切だと痛感しました。

FXを安全に運用するには

一般的に「FXは危ない」と思われがちですが、ロスカットや追加証拠金のように資金を守るシステムを正しく活用すれば、資金割れを防ぐことができます。

さらに、次のような5つのポイントに注意することで、FXのリスクを減らすことが可能です。

  • 余裕資金を運用する
  • 低レバレッジの取引を心がける
  • 損切りを適切に行う
  • 大きなイベント前後の取引は控える
  • メジャー通貨ペアの取引を行う

FXは、ハイリスク・ハイリターンの代表的な資産運用です。特に、初心者にとって高いレバレッジは大変魅力ではありますが、損失を最小限に抑えるためにも、あえてリスクを冒さず安全性の高い取引を心がけましょう。