家を建てる費用の目安はいくら?
家を新築するためには、費用がどれくらいかかるのか気になるという方は多いのではないでしょうか。国土交通省が毎年行っている住宅市場動向調査によると、購入資金と世帯年収の関係は次の通りとなっています。
住宅の種類 | 購入資金 | 購入世帯の年収 |
---|---|---|
注文住宅 (三大都市圏の新築世帯) | 4,472万円 | 734万円 |
分譲マンション | 4,191万円 | 798万円 |
分譲戸建住宅 | 3,840万円 | 701万円 |
(参考:国土交通省「平成29年度住宅市場動向調査結果の概況」)
この結果から、住宅購入資金は注文住宅が最も高く、また、購入資金はほぼ平均世帯年収の約6年分となっていることから、これらの関係性を目安にするといいでしょう。
家を建てる際はこんなところに注意!
「家は一生に一度の買い物」と言われていますが、せっかく建てるなら失敗はしたくないもの。それでは、どんなところに注意したらいいのでしょう。
実際に住んでみて、家に対してどのような不満を感じているのかを示すデータから、そのヒントを探っていきます。
住宅の各要素に対する不満率ベスト5
- 高齢者などへの配慮(53.5%)
- 地震に対する安全性(48.6%)
- 冷暖房の省エネルギー(46.7%)
- 傷みの少なさ(45.2%)
- 断熱性・気密性(44.1%)
参考:国土交通省「平成29年度 住宅経済関連データ」
長く住み続けていると、親やご自身の高齢化により、徐々に不自由だと感じる部分が増えるため、バリアフリーはもちろんのこと、トイレや浴室の広さ、階段の高さなど、将来を見据えた設計が重要になります。
さらに、台風や大雨による水害などの災害が増える中で、半数近くの人が、地震に備えるために建物の耐震化の必要性を感じています。
家を建てる費用を節約した体験談9選
新築費用を節約するためにはどんな方法があるのか、実際に家を建てる際にコストダウンの工夫をしたという9人の経験者に聞きました。
新築にかかる費用は多岐に渡るため、具体的にどんな費用を削ることができるのかを知っておくことが大切です。それでは、みなさんの体験談を見ていきましょう。
1.あえて悪い立地を選ぶ
2分の1から3分の1コストダウン
ワトソンさん
20代
男性
会社員
北海道
家を建てた時、妻が27歳で私が26歳でした。新築コストを抑えるために、中心部から離れた郊外に家を建てました。都心に近いとそれだけで土地代が高くなってしまいますが、立地条件が悪かった分コストを半分から3分の1程度は抑えられました。
もちろん、中心部まで車で30分から1時間程度かかってしまったり、周りにコンビニやスーパーマーケットが少ないため不便ではありますが、一度にまとめて買い物をすることによって、そのような不満は解消されています。
もともと庭付きの家が欲しかったということもあり、おかげで広めの庭を作ることができました。建築費用が安くなった分、多めにお金をかけた庭には大変満足しています。
2.在来工法からツーバイフォーに変更
ツーバイフォーで200万円の節約
ろくさん
30代
男性
会社員
埼玉県
先頃、コンパクトな平屋住宅を建てました。最初はログハウスに憧れ、輸入住宅を扱っている会社に頼みましたが、予算オーバーのためツーバイフォーに切り替えました。工法を替えたことで200万円ほどの費用節約になりました。
しかし、それだけではまだ予算に収まらなかったため、設計士さんにお願いしてありとあらゆる節約術をお願いしました。木製の窓枠はビニールに、作り付けの暖炉は既製品の薪ストーブに替え、さらにドアの数を減らすことで、50万円くらいは浮きました。
その結果、まるでワンルームのような間取りに…。冬はかなり寒い家になりましたが、後から床暖房を奮発したことで室内が温まり、今では広々とした間取りになって逆に良かったと思っています。
3.登記申請手続きを自分でする
20~30万円の登記費用を節約
あいさん
30代
女性
主婦
兵庫県
私32歳で主人が42歳の時に、注文住宅を建てました。その際、最初に見直したのが登記費用です。建築士さんに教えてもらいながら資料を揃えて、登記の手続きを自分でやりました。おかげで20~30万円は節約できたと思います。
そのほかには、家自体を節約する訳にはいかないので、照明やカーテンは大手メーカーの製品は避け、壁紙や建具のデザインのランクを下げるなど、家の強度とは関係のない所で節約することにしました。
予算に限りがあるため、節約したこと自体には不満はありませんが、自分達のこだわりの家という感じではなく、至って平凡な家にはなりました。ただ、リビングの床は、無垢材のフローリングにし、ガス床暖房を入れるなどしてこだわりました。
4.二世帯住宅の浴室を共有に
浴室一個分の費用を節約
さくらさん
20代
女性
主婦
神奈川県
私達夫婦が23歳の時、義両親と住むための二世帯住宅を建てました。玄関を共有スペースにし、他は全て別にしたかったのですが、水回りは高く付くのと、建坪が大きくなるとお金がかかるので、浴室も共用スペースにしました。
家族7人で暮らしているので、お風呂に入る順番などで喧嘩になることもあり、やはり浴室は別にした方が良かったです。また、プライベートスペースを分けるために、鍵付きの扉をつけましたが、ほとんど使ってないので無駄になってしまいました。
浴室の費用を節約した分、壁紙にはお金をかけました。デザインがあるものにしたので、部屋の雰囲気が変って良かったです。
5.全室の壁紙を統一
節約のつもりがオシャレな雰囲気に
みりさん
30代
女性
主婦
埼玉県
我が家は私が27歳、主人が30歳の時に家を建てました。注文住宅で家を建てたのですが、色々こだわりがあったことから、全て同じ壁紙にすることで節約することにしました。結果的に、家全体に統一感が出たように感じています。
ただ、お風呂場の脱衣所の壁紙も同じにしてしまったため、ここは防水のものにすればよかったと後悔しました。
壁紙で少し節約ができたので、備え付けの家具を作ってもらいました。TV台やパソコン台、飾り棚などほぼ全ての家具を備え付けにすることで、自分たちの理想のデザインや大きさの家具にすることができて良かったです。
6.不要なオプションを付けない
オプションはほとんど付けませんでした
えりかさん
30代
女性
会社員
熊本県
家は30歳の時に建てました。大手のハウスメーカーの展示場はやっぱり理想的で夢が膨らみますが、現実的ではないため、完成見学会に行き実際に入居される方のこだわりなど見て、自分たちが手の出せる安いハウスメーカーに決めました。
家を建てる際には、あまりオプションなどつけず普通の一軒家にしました。食器洗浄乾燥機も我慢。広いお風呂も我慢。壁紙も標準にしました。今更ですが、手の出る範囲内で要望を聞いてもらえるハウスマーカーを探すべきでした。
だた、玄関だけは広くして正解でした。ベビーカーや三輪車、子供のスポーツ用品も置けますので、玄関が物であふれることもなく、すごく便利です。
作り付け棚を節約
かれんさん
50代
女性
主婦
神奈川県
私46歳、主人48歳で家を建てました。その際、共働きでコツコツ貯めた費用で、贅沢な家を建てることは望んでいなかったこともあり、大工工賃が掛かるものは一切作りませんでした。
市販の安い棚を購入し使っていますが、収納の面では、やはり作り付けの棚の方がすっきり生活できたのかも知れないと少し後悔しています。
浮いたお金で夏の暑さ対策として、断熱材と空気の流れを作る目的で四方に窓を付けました。屋根裏に発砲ウレタンを吹き付けることで、屋根からの熱で断熱されて、二階の暑さが軽減されています。また、風向きに合わせて窓を開けることで、効率的に熱気が外に出されるので快適です。
床暖房を節約
なみさん
30代
女性
主婦
栃木県
我が家は私が38歳、旦那さんが40歳の時にマイホームを建てました。家を建てる費用で一番大きかったのが床暖房でした。床暖房は冬場しか使わないし、フローリング部分しか暖まらないので、付けるのをやめました。これで30万円節約できました。
マイホームを購入して2回目の冬を迎えましたが、床暖房を節約したことで、やはり床が冷たいという点が、家に対する一番の不満になってしまいました。床暖房つけておけば、冬の寒さを軽減できたとつい考えてしまいます。
そして、床暖房を節約した一方で、お金をかけたのが防犯設備です。窓にシャッターや格子をつけたところ、35万くらいかかってしまいました。
温水洗浄便座を節約
めるさん
20代
女性
会社員
神奈川県
家を建てたのは夫婦ともに25歳の時です。まとまった資金があったとはいえ、削れる費用を削って家を建てることは、夫婦の総意でもありました。
実際にどの費用を節約するか話し合ったところ、最初に出たのがトイレの温水洗浄便座です。お互いの実家にウォシュレットがなく、外でトイレをするときも使っていないことから不要だと感じて、結果的に付けませんでした。
それによって5万円ほど浮いたので、私が熱望していたIHのコンロの費用に充てました。一日のうちで長く過ごすキッチンにお金をかけることができ、とても満足しています。
工夫次第で新築費用は節約できます
注文住宅の場合、デザインを総2階にしたり、屋根の形をシンプルにしたりするだけでも、費用の節約につながります。また、フェンスや門扉、ウッドデッキなどの外構にこだわらず、DIYで済ませることで工賃を削減することが可能です。
このように、新築費用はさまざまな方法で削減できることから、あらかじめ妥協できる点を明確しておき、建築会社としっかり相談しておきましょう。さらに、引っ越し代を節約したいという方には、こちらの引っ越しの節約術がおすすめです。