購入前に知っておきたい住宅の種類
新居といえば「新築一戸建て」というイメージが強い方は多いかもしれませんが、家を購入する場合、次のようにいくつかの選択肢があります。
新築の注文住宅がオーダーメイドならば、すでにデザインが決められているのが分譲や建売です。注文住宅は自分好みの家が建てられるのに対して、分譲や建売、中古住宅には、実物を見て決められるというメリットがあります。
また、マンションの場合は、「価格が安い」「利便性が高い」「保安面で安心できる」等のメリットがあることから、それぞれの特徴をしっかり理解した上で、購入を検討することをおすすします。
どんなタイミングで家を購入しましたか?
今回、一般的な家の購入のタイミングを知るために、8人の体験者に家を買ったタイミングについて聞きました。みなさんのマイホームの購入には、つぎのような5つのイベントが関係していました。
- 結婚
- 妊娠や出産
- 子供が大きくなって
- 子供の入園・入学
- 親との同居
それでは、具体的にどのようなタイミングで家の購入を決めたのか、それぞれの体験談をみていきましょう。
1.結婚
東京出身の妻との結婚
まさおさん
40代
男性
会社員
千葉県
私が30歳、妻が31歳の時、結婚したタイミングで分譲マンションを購入しました。結婚した時に、それまで私が住んでいた公団の2DKでは、新しい生活を始めるには狭いため、新居を探しました。
東京出身の妻が近くに知り合いがいないため、近所付き合いが気楽にできそうなマンションを選びました。モデルルームや折込みのチラシを比較するなどして、駅に近いマンションを中心に複数の物件を検討しました。
購入したマンションが、駅から徒歩3分という好立地で、通勤や帰省に便利でしたし、娘が生まれた時も移動の不便を感じることがありませんでした。
しかし、駅前で駐車場代が高いため、私の趣味の一つである車を持つことをあきらめざるを得ませんでした。
2.妊娠・出産
子育ては実家の近くで
さくらさん
30代
女性
会社員
東京都
私が33歳、主人が35歳の時に私の実家近くに分譲戸建住宅を購入しました。それまでは社宅に住んでいましたが、社宅の居住可能年齢が35歳までなので、賃貸のマンションを探しはじめた矢先、妊娠が発覚しました。
子供が産まれたら、私の生まれ育った地域で子育てをしたいと考えていたのと、私の両親に育児を協力してもらうために、できるだけ実家近い方がいいと思いました。
住宅価格が値上がりをする前に購入できたことは良かったのですが、住んでいる地域は待機児童が多く、子供がなかなか保育園に入園できなかったため、事前に保育園事情を把握しておけば良かったと痛感しました。
実家のサポートで助かりました
ゆめさん
30代
女性
会社員
愛媛県
夫が34歳、私が26歳の時に分譲戸建住宅を購入しました。当時、長男が生まれて、市内の実家に里帰り中でしたが、産後1ヶ月が経過し、そろそろ自宅に戻ろうと考えていた頃、実家近くに新築の建売住宅ができたことを知りました。
共働きのため、子育て中に実家のサポートが必要なこともあり、周辺環境や子育てのことを考え、すぐに購入を決めました。
建売住宅なので、生まれて間もない乳児を連れて何度もモデルハウスの見学や打合せに行くことはなく、スムーズに購入できた点が良かったです。
しかし、家事動線などに配慮された間取りではないので、少し不便を感じることがあります。
また、ローコストのメーカーさんだったので、床材や壁紙などが少し安っぽく感じます。ですが、価格も安かったし住むのに支障はないので満足しています。
3.子供の成長
最新設備が快適な新築マンション
トンボさん
40代
男性
会社員
京都府
夫婦ともに33歳のときに分譲マンションを購入しました。子供が3歳になり、賃貸マンションが少し手狭になってきたので、賃貸マンションを借り換えるくらいなら、新築マンションを購入しようかと思いました。
夫婦ともに、マイホーム細部へのこだわりがなく、注文建築などは全く考えいませんでした。
マンションですと、いくつかのパターンから選択するだけですので、比較的楽です。とは言え、一生に一度の買い物ですから、それなりに勉強をしてから、モデルルームをいくつか回りました。
新築マンションを購入してよかったことはやっぱり設備面です。新築マンションは設備面が最新なので、それまでの賃貸マンションとは比べものになりません。
ただ、後から振り返ると、軽いマンションバブルの時期だったこともあり、価格面ではちょっとばかり高くついてしまったように思います。
社宅暮らしからの解放!
ゆきなつさん
30代
女性
主婦
北海道
夫も私も36歳の時、中古マンションを購入しました。当時、夫が勤めていた会社の社長の所有物件を、社長直々に購入しないかと持ちかけられたのです。
そのマンションは作りがしっかりしているので、多少子供が騒いでも迷惑にならないだろうというのも、理由の一つです。
当時住んでいた社宅は床も壁も薄いため、毎日小さな子供が走り回るたびに、近所迷惑が気になっていました。
家の購入後に夫が仕事を辞めたため、社宅を出ざるを得なかったことを考えると、会社を辞める前に住む場所を確保しておけて良かったです。
ただし、夫の転職によって収入が下がってしまったので、多額のローンを返済するために、金銭的にいろいろと大変でした。
4.子供の小学校入学
住宅ローンの完済を目指して
としさん
40代
男性
公務員
山形県
私が41歳で妻が40歳の時、注文住宅を購入しました。ちょうど上の子供が小学校に入るタイミングでした。
小学校に入学してから家を建てて、転校しなければならなくなるのを避けたかったからです。また、2人目の子供が生まれ、借りていたアパートが手狭になったことも理由です。
家を建てて良かったことは、やはり居心地が良くて、リラックスできるところです。
悪い点は特に見当たりませんが、強いて言うなら、これから住宅ローンを支払い続けるために、健康に留意して働かなければならないことです。
小学校まで徒歩5分の好立地
りさこさん
40代
女性
パート・アルバイト
大阪府
主人が35歳、私が36歳の時に、分譲の戸建住宅を購入しました。ゆくゆくは家を購入したいと思っていましたが、子供の小学校入学を前に決定しました。
住んでいた賃貸マンションが、小学校から一番遠い場所だったため、徒歩通学なら30分かかる上、バスは本数が少なく、料金が全額自己負担でした。
子供が幼稚園年少の時に入居となったのですが、マンションと違って、上下の階の生活音をお互い気にせず過ごせるのが、本当に良かったです。
また、小学校からは徒歩5分と近いため、子供の通学は安心できましたし、運動会や授業参観などの学校行事のときも、親が徒歩で行けるので便利なことが多いです。
悪かったことは、最寄り駅が以前より遠くなったことです。田舎の住宅街なので、夜道の街灯が少ないため、子供の通学などに不安があります。
5.親との同居
少し遅めのマイホーム
ボケ子さん
50代
女性
主婦
東京都
私の母が亡くなり、障害のある父が一人暮らしになったため、中古マンションを購入して、私達夫婦と同居することにしました。主人が39歳、私が43歳でした。
賃貸マンションでは毎月払う家賃が高くなるため、同じ金額を毎月払うくらいなら、賃貸より分譲マンションを購入した方がいいのではないかと思いました。
3ヶ月ほどかけてネットで近辺のマンションを検索し、今のマンションを見つけました。
場所も広さも金額も希望通りだったので、本当に満足していますが、ただ、ローンのことを考えると、もう少し早く購入しておけばよかったと思います。
家の購入年齢は30歳代がピーク!
家を購入するタイミングは、結婚や出産、子供の入園・入学など、人によってさまざまですが、総務省統計局のデータによると、住宅取得時における世帯主の年齢の割合は、分譲戸建住宅と注文住宅ともに30歳代が高いことが分かります。
画像引用元:総務省統計局
早く家を購入すると、ローンの返済が早く終わる一方で、デメリットとして、転勤や親との同居などの生活スタイルの変化に対応できなくなる可能性があげられます。反対に、あまり購入が遅れてしまうと、定年までにローンが払い終わらずに、退職金を充てざるを得なくなってしまいます。
そのため、ご主人が会社員の場合、定年を迎える60~65歳までにローンを払い終わることを考えると、30歳~35歳くらいには購入しておいた方がいいといえます。