投資信託とは?
投資信託とは、投資の専門家のファンドマネージャーが、投資家から集めた資金をもとに株式や債券、不動産などを運用し、そこから得た利益が投資家に分配される金融商品です。
実質的な運用はファンドマネージャーが行うため、初心者でも安心して始められるほか、分散投資することでリスクが軽減されるというメリットがある一方で、元本割れのリスクや手数料などのコストがデメリットとなります。
投資家10人に聞いた投資信託を選んだ理由
投資信託を購入している人は、預金や株、国債、FXなどのさまざまな資産運用の中から、なぜ投資信託を選んだのでしょう。投資家のみなさんが、投資信託を運用する上で感じているメリットやデメリットについて聞きました。
また、いくらリスクが低いとはいえ、時には失敗することだってあるはずです。投資信託にはどんな失敗がつきものなのか、過去の損失についての失敗談についても聞かせていただきました。
選んだ理由1-預貯金金利は当てにならないから
銀行預金であまりお金が増えず
まるこさん
30代後半
女性
会社員
福岡県
これまで、普通預金や定期預金を利用していましたが、カードで簡単に引き出せてしまうため貯まりにくく、金利もほとんどつかないので、土日や祝祭日に引き出すと逆に手数料がかさんでしまうことも気になったのが、投資信託をはじめたきっかけです。
私は200万円から始めました。投資信託のメリットは、普通預金や定期預金より利率が良くなる可能性があることです。逆に、元本は保証されないので、元本割れをしてしまい、手元のお金が減ってしまう恐れがあることがデメリットではないかと思います。
これまでの大きな失敗は、新興国に投資するものです。配当金が良かったのでかなり多額の投資をして、途中までは配当金も順調に出ていましたが、気づけば投資額の半分以下にまで資金が減ってしまいました。
プロに任せて安心
アーモンドさん
34歳
男性
無職
熊本県
銀行預金では大して資産が増えないので、何か投資をしてみようかと考えていました。私は投資について素人ですので、下手に自分で運用するよりも、投資信託ならば手間もかからないし、ファンドのプロに任せてしまえて楽かなと思いました。
最初は、全世界投資型のファンドに10万円投資してみました。ほんの少しですが増えています。投資信託のメリットは、ある程度放っておいて良いことですね。信託報酬などの手数料を取られてしまうというデメリットがありますが…。
これまでの大きな失敗は、上昇相場で調子に乗ってしまい、一気に100万円ほどを追加で投資したら、程なくして急落してしまったことです。ドルコスト平均法で何度かに分けて、買い付けるべきでした。欲を出して焦ってしまってはいけませんね。まだ売却せずに持っていますが、再び上昇することを願っています。
預金の利子の100倍に
ぽちさん
26歳
男性
会社員
愛知県
私が投資信託を始めたのは、会社の福利厚生の中にあったからです。どうせ貯金してもほとんど利子がつかないのならば、一か八かの気持ちで投資してみようと思い、その中でも比較的リスクの低そうな投資信託を選びました。
投資額は毎月の給料から1,000円づつ天引きで、ボーナス月はさらに3,000円投資しています。
投資を始めておよそ1年ですが、今のところうまく運用してもらえているようで、銀行の利子の100倍近い利益を生んでいます。ただ、あくまで金融商品なので、いつマイナスになるか分からないというデメリットも存在するので、何とも言えないところです。
これまでの私の数少ない経験で失敗したと感じたことは、毎月の投資額が毎年1月にしか決められないので、昨年の投資額をもっと増やしておけばよかったと後悔したことです。
選んだ理由2-比較的にリスクが低いから
安心の少額投資
カルチョさん
30歳
男性
会社員
兵庫県
私が投資信託を始めたのは23歳の時でした。当時はリスク商品を運用した経験がなかったので、比較的低リスクと言われている投資信託を選択しました。投資信託の良いところは、少額投資が可能で、運用も投資のプロに任せることがでるところです。
しかし、その一方で購入時や売却時に手数料を徴求されるので、注意が必要です。
これまで運用したファンドに、日経平均株価の値動きに連動する商品がありました。少し収益が出たところで売却しましたが、その後、日経平均株価が急上昇し続けたため、今なら3倍は収益が出ていたので、大変後悔しています。
焦らず、売却時期を見極めることは重要だと痛感しました。
リスク分散が投資の基本
おっさんさん
50代前半
男性
その他
岩手県
1銘柄から分散投資が可能なことが投資信託を選んだ理由です。「卵は一つのカゴに盛るな」という言葉があるように、投資では分散投資することがリスクの軽減につながります。
投資信託のメリットは、投資先の専門的な知識がなくても、市場として有効であると思えば、専門家に運用を託すことができることです。
デメリットとしては、1日1価格で指し値売買ができず、急激な市場変更に対応できないことです。パッシブ型では運用経費が安く、アクティブ型では運用経費が高くなるため、成果と経費を比較した銘柄選定が必要になります。
これまでで一番大変だったことは、主力の投資信託が償還手続を始めてしまい、次の投資先を見つけることに苦労したことです。運用成績が良くても純資産額が少ないと、思うように運用ができないことを理由に償還することがあるので注意が必要です。
選んだ理由3-株やFXよりも安定性が高いから
安心して任せられます
ミヤビさん
30代後半
男性
会社員
新潟
余裕資金ができ、銀行に預けているだけでは利息は微々たるものだと感じて、投資を考えるようになりました。
株式投資やFXは、成功者の話を聞くと羨ましく映りましたが、初心者がまぐれで稼ぐことはできても、安定して稼ぐのは難しいと思っていたので、プロが資産運用してくれる投資信託を選択しました。
銘柄が多くあり、最初はどの銘柄に投資したらいいか迷いましたが、書籍で勉強してから今は安定しています。最初は10万円からスタートして、今は月に5万円ずつ違った銘柄に投資しています。
投資信託のメリットは、銘柄の見極めこそ必要ですが、運用はプロに任せることになるので、自身にトレード手腕が必要でないことです。デメリットを挙げるとすれば、他の投資に比べて瞬発力がないので、一攫千金を狙うようなことができない点です。
これまでの失敗を一つあげると、リーマンショック直前に大きく投資した時です。「これは失敗したな…」と後悔した苦い思い出があります。
タコ足分配に注意!
ナベさん
20代前半
男性
会社員
新潟県
投資信託を知ったのは、楽天のスーパーポイントで投資信託を購入できるというサービスを見たのがきっかけです。株やFXにも興味がありましたが、敷居が高くプロにお任せの投資信託から始めようと思いました。
最初から大きな金額で始めるのは怖かったため、毎月3,000円の積立投資を始めました。投資信託のメリットは、簡単に少額で幅広く投資をするのが可能な点です。デメリットは、投資をしている感じがなくつまらないところです。
最初に毎月分配金が出たらお小遣いみたいでいいなと思い、ランキング上位の毎月分配型の商品を買いましたが、調べてみると、毎月分配型は「タコ足分配」と言って、利益ではなく運用資金を分配金に回していることが分かり、別の投資信託に変えました。
もともと、勉強しながら投資を始めようと思い、分からないまま始めましたが、しっかりと調べてから買うことが大切だと感じました。
選んだ理由4-投資について学べるから
株よりも気軽に始められます
とし子さん
30代前半
女性
会社員
山口県
投資の勉強のつもりで投資信託を選びました。当時貯めていた貯金の中から50万円程度を投入し、当時流行っていた毎月分配型の投資信託を購入しました。
投資信託のメリットは少ない金額から始められるということです。株を買うのであれば銘柄によっては100万以上するものもあり、自分の予算と買いたい銘柄が一致しないこともありますが、投資信託では一口から購入出来るので、少額投資が可能です。
反対にデメリットは毎月分配型の投資信託は値下がった時でも分配金は支払われますが、自分の資産から払い出されるので分配金が出る度に、資産が減っていきます。
ある時、私が購入した投資信託がどんどん値下がり、最終的には元金が半分になってしまっていました。分配金を含めたトータルリターンではプラスでしたが、投資としては元金が減ってしまったので失敗でした。
選んだ理由5-少ない資金ではじめられるから
資産運用デビューは3万円から
トミさんさん
45歳
男性
会社員
神奈川県
株式投資の知識が少ない中で、どんな銘柄を買うか迷ったり、買いたくても資金不足で悩んだりしていた時、まずは投資を始めることを第一に考えて、少額からも出来る投資信託を始めました。最初は3万円からスタートしました。
投資信託のメリットは頻繁に指標に釘付けにならないので、ゆっくりとしたペースで行える点だと思います。逆に、デメリットは毎月分配などへの信託購入は、おこづかいのように毎月分配金がおりますが、不安定な面もあるので長期投資には不安を感じます。
これまでの大きな失敗は、何も分からないまま買った投資信託で、毎月分配の言葉に誘われて、さらには分配金を再投資したことです。さぞかし貯まったと思いきや、評価額が急激に下落したことで、購入後1年で元本割れしてしまったことが一番の失敗です。
選んだ理由6-毎月分配金が支払われるから
運用次第で多額の分配金も
ななしさん
40代
男性
会社員
埼玉県
仕事で知り合った銀行員から、投資信託を教えてもらいました。外国債券に投資する投資信託で、毎月分配金がもらえるところに魅力を感じてはじめました。一度にまとまったお金を準備できなかったことから、毎月1万円ずつ投資していくことにしました。
投資信託は、プロである運用会社にまかせることができるメリットはありますが、日々基準価額が変動するため、元本が保証されないというデメリットがあります。ですから、元本割れを嫌う人には向きません。
過去に10年くらい継続した投資信託がありますが、その間にリーマンショックなどの影響から毎月分配金は減らされるわ、基準価額は目減りするわで、時間とお金を使った割に何も得られなかったという失敗があります。
その時、投資は自己責任であると痛感しました。